『良く知っている』be familiar to / be familiar with / be known to の違い
be familiar to
familiarはfamilyの形容詞形で「なじみがある / よく知られている」というのが基本語義です。
これに[対象]を指し示す前置詞toがついて、以下の形になります。
S be familiar to ~=「Sは~に良く知られている」
familiarの意味から考えて、"~"には基本的に「人間」が来るのは分かると思いますが、注意してほしいのが、この形ではSには「物 / 事」しか来ない=「人間」はダメということです。
He sounds familiar to me.=「彼のことは聞いたことがある」などのように、同じSVOの形でSに「人間」が来る場合はありますが、be動詞の時はSに「人間」は置けません。
familiarと似た意味なのがknown「~に知られている」で、familiarと同様の形をとります。
S be (well-)known to ~=「Sは~に(よく)知られている」
「knownはknowの受動態だから、be known byじゃないの?」と思った人がいるかもしれませんが、knownのように頻繁に使用される過去分詞については、あまりにも頻繁に使われるので動詞の受動態→形容詞に扱いがチェンジすることがあります。
つまりknownは形容詞として扱われるので、「受動態の時はbyを使う」というルールは無視でき、↑のfamiliarと同じ原理で前置詞toを使って、be (well-)known toとなります。
また、意味的にはほぼ同義の場合もありますが、knownが「(知識的に)知っている」のに対し、be familiar toは「なじみがある / よく知られている」というのが基本語義がニュアンスとして出る場合もあります。
ex. The story is familiar to them.=「その話は彼らにとってはおなじみのものだ」
be familiar with
先ほどのbe familiar toは「よく知られている」という受動態的な意味でしたが、逆の能動態的な「~をよく知っている / ~に精通している」という意味になるのが be familiar withです。
S be familiar with ~=「Sは~をよく知っている / ~に精通している / ~と親しい」
こちらもSには意味的に「人間」が来るのが基本で、一方で"~"には「物 / 事」が来た場合は「~をよく知っている / ~に精通している」、「人間」が来た場合は「~をよく知っている / ~と親しい」となります。
ex1. We're familiar with each other.=「私たちは親しい間柄だ」
ex2. He's familiar with this problem.=「彼はこの問題を熟知している」=This problem is familiar to him.
be familiar toとbe familiar withは受動・能動関係にあるため、意味が真逆になるので混同させないよう注意です。
では、単純に「私は彼のことを(よく)知っている」とはどう言えば良いのでしょうか?
正解は、I know him( very well).です。
ただ単に「私は彼のことを知っている」と言いたい場合は、面識がなければknow of、面識があればknow / be acquainted withです。
be acquainted withはbe familiar withと同じように「~に(対する知識・経験を持っていて)精通している」という意味で使われることもありますが、knowはある程度の交流があり、know ~ very well / be familiar withで仲の良さが感じられるのに対し、be acquainted withは「数回面識はある」程度で特に親しくはない関係の時に使用されます。
名詞形のacquaintance=「知り合い / 知人」も重要語で、firendほどは親しくないです。
また、know, friendのような非常に基礎的な単語は、響きがストレート過ぎたり幼く感じられることもあるようなので、フォーマルな場では使用に注意です。
I don't know himだと「オレ、あいつ知らない」的なニュアンスになってしまうこともあるので、「(申し訳ないのですが)彼のことは知りません」と言いたい時は、(I'm not, but) acquainted with him.としましょう。
「~に精通している」という意味でbe familiar with / be acquainted with以外にbe at home inというのがありますが、at homeとあるように「知識」というよりかは「居心地の良さ / 慣れ親しみ」のようなニュアンスが入ってくる感じです。
ex. He is at home in teaching English.=「彼は英語を教えることに慣れている」
be familiar to ~=「~に良く知られている / ~にとってなじみである」
be (well-)known to ~=「~に良く知られている(知識的ニュアンス)」
be familiar with ~=「~をよく知っている / ~に精通している / ~と親しい」
be acquainted with ~=「~を(よく)知っている / ~に精通している / ~と知り合いである」
acquaintance=「知り合い / 知人」
know of ~=「~を知っている(面識なし)」
be at home in ~=「~に精通している / ~に慣れている」